ニーブールのローマ史の世界
ニーブールのローマ史とは
バルトホルト・ゲオルク・ニーブールによって19世紀に執筆された、古代ローマ史に関する権威ある著作です。原題は”Römische Geschichte”(ドイツ語)で、日本語では「ローマ史」と訳されます。
時代背景
ニーブールは1776年にデンマークで生まれ、1831年にドイツで亡くなりました。彼の生涯は、フランス革命やナポレオン戦争など、ヨーロッパ史の転換期と重なります。このような時代背景の中、ニーブールは古代ローマの歴史を通して、国家の盛衰や政治体制の変遷について考察しました。
特徴
ニーブールの「ローマ史」は、史料批判に基づいた厳密な歴史記述が特徴です。彼は古代の文献や碑文などを詳細に分析し、従来の通説に疑問を投げかけながら、独自の解釈を展開しました。
構成
ニーブールの「ローマ史」は、全3巻から構成されています。第1巻ではローマ建国から紀元前201年のプニクス戦争終結まで、第2巻では紀元前200年から紀元前63年のカエサルの登場まで、第3巻では紀元前63年から紀元前30年のアクティウムの海戦までが扱われています。
影響
ニーブールの「ローマ史」は、19世紀の歴史学に大きな影響を与え、その後も古代ローマ史研究の基礎的な文献として読み継がれています。彼の厳密な史料批判や政治史を中心とした歴史観は、後の歴史家に大きな影響を与えました。