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ニーブールのローマ史と時間

## ニーブールのローマ史と時間

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ニーブールの時間認識

バルトルト・ゲオルク・ニーブールは、古代ローマ史を叙述するにあたり、独自の史料批判と歴史叙述の方法を用いました。特に、歴史における時間の流れに対する彼の認識は、彼の著作全体に色濃く反映されています。

ニーブールは、歴史を単なる出来事の羅列と捉えるのではなく、有機的な発展の過程として理解していました。彼は、ローマ史を、王政ローマから共和政ローマ、そして帝政ローマへと至る、ダイナミックな変遷の物語として描いています。

彼の時間認識の特徴の一つに、**循環論的な歴史観**の影響が見られます。これは、歴史が一定の周期やパターンを繰り返すという考え方です。ニーブールは、ローマ史においても、興隆と衰退のサイクルが繰り返されていることを指摘し、歴史から学ぶことの重要性を強調しました。

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ローマ史における時間スケール

ニーブールは、ローマ史を叙述する際、詳細な年表や年代記を用いることを避けました。これは、彼が歴史を、正確な年代や事件の順序よりも、むしろ大きな流れや構造の中に位置づけようとしていたためです。

彼は、ローマ史を、**伝説時代、初期ローマ、共和政ローマ、帝政ローマ**といった大きな時代区分に分け、それぞれの時代の性格や特徴を浮き彫りにしようとしました。

ニーブールは、歴史を記述する際、政治体制の変化や社会構造の変容といった、長期的な視点に重点を置いていました。彼は、短期的で表面的な出来事の背後に隠された、歴史を動かす根本的な力や法則を見出そうとしていたのです。

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