## ニュートンの自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)の表現
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言語と文体
「プリンキピア」はラテン語で書かれています。これは、当時の学術界における共通語としてのラテン語の地位を反映しています。ニュートンは、自らの著作をできる限り広範囲の学者に読んでもらいたいと考えており、ラテン語を用いることでそれを実現しようとしたのです。
文体としては、幾何学的な証明に基づいた、非常に厳密で形式的なものが用いられています。ユークリッドの「原論」の影響を強く受けており、定義、公理、定理という論理的な流れに沿って、自然現象を数学的に説明しようと試みています。
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数学
「プリンキピア」では、幾何学と微積分を駆使して、運動の法則や万有引力の法則が説明されています。ただし、ニュートンは当時まだ発展途上にあった微積分の記法を直接用いることはせず、古典的な幾何学を用いた証明を展開しています。
図形や図表は、「プリンキピア」において重要な役割を果たしています。複雑な数学的概念を視覚的に表現することで、読者の理解を助けることを目的としています。
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内容と構成
「プリンキピア」は、全3巻から構成されています。
* **第1巻:** 運動の3法則や慣性の法則、求心力など、物体の運動に関する基本的な法則が説明されています。
* **第2巻:** 流体中の物体の運動や空気抵抗など、より複雑な運動が扱われています。
* **第3巻:** ケプラーの惑星運動の法則を数学的に証明し、万有引力の法則を導き出しています。
「プリンキピア」は、単に物理法則を説明するだけでなく、それらの法則が天体の運動や潮汐現象といった具体的な現象をどのように説明できるのかを示すことにも重点が置かれています。