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ナイチンゲールの看護覚え書に匹敵する本

## ナイチンゲールの看護覚え書に匹敵する本

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医学史における金字塔:『医学典範』

古代ギリシャの医師ヒポクラテス(紀元前460年頃 – 紀元前370年頃)の名を冠した医学書群『ヒポクラテス全集』は、西洋医学の礎を築いた monument であり、その中でも特に重要なのが『医学典範』です。

この書は、当時の医学知識を集大成しただけでなく、病気の原因を神や霊的なものに求めるのではなく、自然の摂理によるものと捉えるという、画期的な視点をもたらしました。

『医学典範』は、臨床観察の重要性、診断と予後、治療法、倫理的な医師のあり方など、多岐にわたる内容を網羅しており、2000年以上もの間、西洋医学のみならず、アラビア医学など、世界中の医学に影響を与え続けてきました。

例えば、「患者に害をなさない」という医学の倫理原則は、この書に記された「まず、害を与えてならない」という言葉に由来すると言われています。

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解剖学の革命児:『ファブリカ』

16世紀、アンドレアス・ヴェサリウス(1514-1564)は、それまでの解剖学の権威であったガレノスの説に疑問を抱き、自ら人体解剖を行い、その観察に基づいて『ファブリカ』(正式名称は『人体構造論』)を著しました。

ヴェサリウスは、ガレノスの説には誤りが多く含まれていることを 明らかにし、詳細な解剖図譜と正確な人体構造の記述によって、解剖学を全く新しい段階へと引き上げました。

『ファブリカ』は、出版当時から大きな反響を呼び、多くの解剖学者たちに影響を与え、近代医学の礎を築いた重要な書物として、今日でも高く評価されています。

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近代外科学の父:『外科医の至宝』

18世紀のフランスの外科医アンブロワーズ・パレ(1510-1590)は、当時の外科手術において一般的だった、患部を焼く「焼灼止血法」に疑問を抱き、新たな止血法を開発しました。

彼は、戦場で負った傷の手当をする中で、従来の方法よりも痛みが少なく、治癒効果の高い方法を発見し、その経験をまとめたのが『外科医の至宝』です。

この書には、銃創や骨折などの外科手術に関する具体的な方法や、患者の観察の重要性、医師としての心構えなどが記されており、当時の外科医にとってバイブル的な存在となりました。

パレは、古代からの権威に盲従することなく、自らの経験と観察に基づいて外科手術を体系化し、近代外科学の礎を築いた人物として知られています。

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