ナイチンゲールの看護覚え書
看護の目的
ナイチンゲールは、看護の目的を「**自然が治癒力を発揮しやすい環境を整えること**」であると述べています。 これは、人間の自然治癒力を最大限に引き出すために、看護師が環境調整を行うことの重要性を示しています。
具体的には、以下の項目が重要視されています。
* **新鮮な空気**: 清潔な空気の重要性を説き、換気を重視しています。
* **光**: 日光がもたらす効果を重視し、病室の採光について具体的に示しています。
* **清潔さ**: 衛生状態が患者の回復に大きく影響することを指摘し、 清潔な水、寝具、部屋の重要性を強調しています。
* **静寂**: 静かな環境が患者の休息を助長し、回復を促すと考えられていました。
* **食事**: 患者の状態に合わせた食事の提供、食事の時間や量、温度、盛り付け方に至るまで詳細に記述しています。
観察の重要性
ナイチンゲールは、看護師が患者の状態を詳細に観察することの重要性を繰り返し述べています。
観察を通して、患者のわずかな変化を捉え、適切な看護を提供することが可能になると考えていました。
具体的には、患者の以下の項目を観察することの重要性を説いています。
* **顔色、表情、呼吸、脈拍、体温、排泄物、睡眠、食欲**
* **患者の訴え、習慣、生活環境**
これらの観察を通して得られた情報は、医師への報告や看護計画の作成に役立てられるべきだと述べています。
看護師の役割と資質
ナイチンゲールは、看護師が専門職であることを強く認識し、高い倫理観と献身的な態度を求めました。
具体的には、以下の資質が重要であると述べられています。
* **観察力**: 患者の状態を注意深く観察し、変化を見逃さないこと。
* **記録能力**: 観察した内容を正確に記録し、医師との情報共有に役立てること。
* **清潔さ**: 常に清潔を心がけ、感染症から患者を守ること。
* **誠実さ**: 患者に対して誠実に接し、信頼関係を築くこと。
* **忍耐強さ**: 困難な状況にも忍耐強く対応すること。
* **機転**: 状況に応じて適切な判断をし、行動すること。
* **同情心**: 患者の立場に立って、思いやりのある看護を提供すること。
これらの資質を身につけるために、ナイチンゲールは看護師の教育の必要性を訴え、体系的な教育システムの構築を目指しました。