## ドッブの価値と分配の諸理論のメカニズム
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価値の理論
ドッブは、価値の源泉について、古典派経済学の労働価値説を継承し、発展させました。彼は、使用価値と価値の二重性を強調し、価値は、人間の労働によって生産物に客観的に体化された社会的労働時間によって決まると主張しました。
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剰余価値論
ドッブは、マルクスの剰余価値論を重視し、資本主義社会における搾取のメカニズムを分析しました。労働者は、労働力商品の価値に見合う賃金を受け取りますが、労働力の使用価値である労働は、それ以上の価値を生み出すことができます。この超過部分が剰余価値であり、資本家の利潤の源泉となります。
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分配の理論
ドッブは、分配は、生産過程における階級関係によって決定されると考えました。資本家は、生産手段の所有者として、労働者に対して優位な立場に立ち、剰余価値の分配を支配します。賃金は、労働力の再生産に必要な水準に抑えられ、利潤は、資本蓄積と経済成長の源泉として資本家に帰属します。
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競争と均衡
ドッブは、資本主義経済における競争は、個々の資本家にとっては利潤極大化のための行動原理となる一方、社会全体としては、生産の無秩序化と周期的な恐慌をもたらすと分析しました。彼は、市場メカニズムによる均衡は、一時的かつ不安定なものとみなし、資本主義経済は、本質的に矛盾と危機をはらんでいると考えました。
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