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ドッブの価値と分配の諸理論からの学び

ドッブの価値と分配の諸理論からの学び

ドッブの価値と分配の諸理論からの学び

イギリスの経済学者モーリス・ドッブ(1900-1976)は、その著作『価値と分配の諸理論:リカ—ドからスラッファまで』(初版1937年、第2版1951年、第3版1963年)で、経済学、特に価値と分配の理論の歴史について批判的な解釈を提供しました。この書は、アダム・スミスからジョン・メイナード・ケインズに至るまでの古典派経済学者と新古典派経済学者の著作を探求し、彼らがこれらの重要な概念をどのように理解したかを探っています。

価値論の歴史

ドッブは、価値の問題は経済学の中心的な問題であると主張しました。なぜなら、それは商品がどのように生産され、交換されるかを理解するための鍵を提供するからです。彼は、古典派経済学者、特にアダム・スミスとデイヴィッド・リカードが、労働価値説を採用していたことを示しました。この説では、商品の価値は、その生産に投下された労働量によって決定されるとされています。

限界効用革命

ドッブは、19世紀後半に起こった「限界革命」と呼ばれるものに焦点を当てました。この革命は、価値の客観的な尺度としての労働を放棄し、代わりに主観的な概念である限界効用を採用しました。彼は、ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ、レオン・ワルラス、カール・メンガーなどの経済学者の仕事について論じ、これらの経済学者が、商品の価値は、消費者がその商品から得られる追加的な満足度、つまり限界効用によって決定されると主張したことを示しました。

分配の理論

ドッブはまた、分配の理論、つまり生産の要素(土地、労働、資本)の間で所得がどのように分配されるかについてのさまざまな理論を探求しました。彼は、古典派経済学者が、分配を社会的・政治的要因によって決定されるものとして見ていたことを示しました。例えば、リカードの地代論は、土地の希少性と地主の力が、地代の分配を決定すると主張しました。

ドッブのマルクス経済学への貢献

ドッブ自身はマルクス経済学者であり、彼の著作はカール・マルクスの思想に強く影響を受けていました。彼は、マルクスの労働価値説と搾取の理論が、資本主義経済における価値と分配の問題を理解するためのより適切な枠組みを提供すると信じていました。

ドッブの著作の意義

ドッブの『価値と分配の諸理論』は、経済思想の歴史における重要な著作です。それは、価値と分配の理論の進化に関する洞察に満ちた分析を提供し、これらの概念に対する古典派経済学者と新古典派経済学者の異なるアプローチを批判的に評価しています。この書は、経済学者や学生の間で広く読まれ続けており、経済学の歴史と現代の経済理論への貴重な貢献となっています。

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