ドストエフスキーの貧しき人びとの関連著作
ニコライ・ゴーゴリ『外套』
『貧しき人びと』と同様に、ペテルブルクの貧しい下級官吏の生活を描いた作品です。ゴーゴリはドストエフスキーに大きな影響を与えた作家として知られており、『貧しき人びと』の作風にもその影響が色濃く反映されています。特に、『外套』に登場するアカーキー・アカーキエヴィチは、マカール・ジェーヴチキンと同様に、社会から疎外され、貧困に苦しむ小役人の典型として描かれています。
ヴィクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』
19世紀のフランス社会を舞台に、貧困と社会的不公正の問題を描いた大作です。ジャン・バルジャンをはじめとする登場人物たちの苦悩や葛藤を通して、人間存在の本質に迫る作品として、ドストエフスキー自身も高く評価していました。『貧しき人びと』と『レ・ミゼラブル』は、ともにリアリズム文学の傑作として位置付けられており、社会的弱者への温かいまなざしといった共通点も見られます。
チャールズ・ディケンズ『オリバー・ツイスト』
19世紀のロンドンを舞台に、孤児オリバー・ツイストの過酷な運命を描いた作品です。貧困層の悲惨な生活状況や、子供たちが犯罪に巻き込まれていく様子を生々しく描写しており、当時の社会問題を告発する作品として大きな反響を呼びました。ディケンズの社会派小説は、ドストエフスキーの作品にも影響を与えたと言われています。