ドストエフスキーの白夜の構成
第一夜
「白夜」は、一人称の語り手である「私」の独白という形で物語が進行します。「私」はペテルブルクに住む孤独な青年で、空想の世界に生きています。ある晩、「私」は泣いている女性ナーステンカに出会い、彼女に話しかけます。ナーステンカは引っ込み思案ながら心優しい女性で、「私」はたちまち彼女に惹かれます。ナーステンカは「私」に、自分の境遇を語り始めます。
第二夜
ナーステンカは、1年前に引っ越してきた家に下宿していた青年と恋に落ちたこと、しかし青年は事情があって彼女を置いてモスクワに行ってしまったことを「私」に語ります。彼女は青年が帰ってくるのを今か今かと待ちわびていますが、連絡は途絶えたままです。話を聞いた「私」は、ナーステンカへの愛を深めると同時に、青年の帰りを待つ彼女の力になろうと決心します。
第三夜
「私」とナーステンカは毎晩のように会って語り合うようになり、二人の距離は急速に縮まります。ナーステンカは「私」に、青年への変わらぬ愛を語りながらも、「私」の優しさに触れて心が揺れ動くのを感じています。「私」は、ナーステンカが自分のことを本当に愛してくれるのではないかと期待を抱き始めます。
第四夜
ついに、ナーステンカが待ち焦がれていた青年が現れます。喜びのあまり我を忘れるナーステンカの姿を見た「私」は、自分の愛が叶わぬものであることを悟ります。ナーステンカは青年と再会できた喜びと、「私」への申し訳なさの気持ちの間で揺れ動きますが、最終的に青年の元へ行くことを決心します。
第五夜
一人残された「私」のもとに、ナーステンカから感謝の気持ちが綴られた手紙が届きます。「私」は、ナーステンカへの愛と、彼女との束の間の幸せな日々を胸に、再び孤独な生活へと戻っていきます。