## ドストエフスキーの未成年の構成
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構成上の特徴
ドストエフスキーの『未成年』は、主人公アルカージイ・ドルゴルーキイによる一人称告白体の形式で書かれています。これは、物語全体がアルカージイの主観的な視点を通して語られることを意味します。
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時間構成
物語は、アルカージイが過去を回想する形で進行します。彼は、自分の生い立ち、父ヴェルシーロフとの複雑な関係、そして様々な人物との出会いと別れを、自分の内面を吐露するように語っていきます。時系列は必ずしも一直線ではなく、アルカージイの心情の変化や記憶の連想によって前後することがあります。
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章立て
『未成年』は、第一部と第二部の二部構成、計13章から成り立っています。各章にはタイトルは付けられていませんが、アルカージイの視点人物としての役割、そして物語の舞台となる場所や時間に焦点を当てると、ある程度のまとまりを見出すことができます。
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主要な登場人物と彼らの関係性
物語の中心となるのは、主人公アルカージイと彼の父ヴェルシーロフです。アルカージイは、自分の出生の秘密と、父への複雑な感情に苦悩します。ヴェルシーロフは魅力的な人物として描かれますが、同時に無責任で、周囲の人間を不幸に陥れる側面も持ち合わせています。
アルカージイを取り巻く他の登場人物として、彼の後見人であるマカール・ドルゴルーキイ、ヴェルシーロフと三角関係になるカテリーナ・ニコラエヴナ、アルカージイが恋心を抱くリーザなどが挙げられます。これらの登場人物は、アルカージイの成長と内面の葛藤を浮き彫りにする役割を担っています。