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トルストイの戦争と平和の構成

## トルストイの戦争と平和の構成

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構成上の特徴

「戦争と平和」は、大きく分けて**歴史哲学的部分**と**物語部分**の二つから成り立っています。歴史哲学的部分は、歴史における個人の役割や自由意志と決定論といった問題を論じる部分で、主に登場人物の会話や作者の語りによって展開されます。一方、物語部分は、1805年から1812年にかけてのロシア貴族社会を舞台に、ピエール、アンドレイ、ナターシャといった主要人物たちの恋愛、結婚、家族、戦争といった人生模様を描いています。

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章立てと構成

「戦争と平和」は全4部15巻(エピローグを含む)からなり、各巻はさらに複数の章に分かれています。

* **第1部(1805年):** ナポレオン戦争の勃発前夜、ロシア貴族社会の賑わいを描きながら、主要人物であるピエール、アンドレイ、ナターシャらが登場します。
* **第2部(1806年 – 1811年):** アンドレイとナターシャの恋愛、ピエールの苦悩と模索、ロシア貴族社会の変化などが描かれます。
* **第3部(1812年):** ナポレオンのロシア遠征が始まり、ロシア軍とフランス軍の戦闘が描かれます。主要人物たちも戦争に巻き込まれ、運命を大きく変えていきます。
* **第4部(1812年 – 1820年):** ナポレオンのロシア遠征の失敗とロシア軍の勝利、戦争が主要人物たちのその後の人生に与えた影響などが描かれます。
* **エピローグ(1820年):** 戦争から7年後、ピエールとナターシャの結婚生活を中心に、登場人物たちのその後が描かれます。

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時間軸と視点

「戦争と平和」は、基本的には時系列に沿って物語が進んでいきますが、随所で回想や時間の飛躍が用いられています。また、作者の視点も、全知的な視点から登場人物一人ひとりの内面に寄り添う視点まで、場面や状況に応じて変化します。このような複雑な構成によって、歴史の大きなうねりと個人の人生の細やかな描写が織りなされ、壮大なスケールと深みを持つ作品となっています。

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