デューイの論理学 探求の理論を読む
デューイの論理学 探求の理論を読む
ジョン・デューイの主著『論理学: 探求の理論』は、現代論理学、認識論、科学哲学に多大な影響を与えた難解な書物として知られています。 本書においてデューイは、従来の論理学が抱える問題点を克服し、人間の探求行為に根ざした新しい論理学の構築を試みています。
探求としての論理
デューイは、論理を思考の形式的な規則体系として捉えるのではなく、不確実な状況の中で問題を解決していく動的なプロセス、すなわち「探求」として捉えます。 彼によれば、探求は疑問や不確実性の状態から始まり、観察、仮説の設定、検証といった段階を経て、問題の解決に至ります。
経験と探求
デューイの論理学において、経験は中心的な役割を果たします。 デューイは、経験を単なる感覚データの受容ではなく、環境との相互作用を通じた能動的な過程として捉えます。 探求は、この経験の過程の中で生じる問題状況から出発し、経験に基づいた検証を通じて解決へと向かいます。
論理と科学的方法
デューイは、科学的方法を探求の最も洗練された形態として捉え、その論理を分析します。 彼によれば、科学的方法は、観察、仮説形成、実験、検証といった段階から成り立ち、それぞれの段階において論理的な推論が重要な役割を果たします。