## デューイの論理学 探求の理論の感性
デューイの論理学における感性の役割
デューイの論理学において、感性は人間の認識活動において極めて重要な役割を果たします。彼は、伝統的な哲学が理性と感性を対立的に捉え、理性を優位に置いてきたことを批判し、両者が相互に作用し合いながら探求活動を進めていくことを強調しました。
感性による状況の把握
デューイによれば、探求は問題状況から始まります。そして、この問題状況を把握するためにまず必要となるのが感性です。私たちは、五感をはじめとする様々な感覚器官を通じて周囲の世界から情報を取得し、状況を認識します。例えば、何か違和感を感じたり、疑問を抱いたりするのも、元をたどれば感性による状況把握が基になっています。
感性とアイデアの創出
感性は単に受動的に情報を収集するだけでなく、能動的に問題解決に貢献します。デューイは、探求の過程で重要な役割を果たす「アイデア」は、理性的な思考だけでなく、感性的な経験からも生み出されると考えました。過去の経験や知識と結びついた感性的な刺激が、新たなアイデアや仮説を生み出すきっかけになるのです。
感性による検証
デューイの論理学では、仮説は検証されなければなりません。そして、この検証の過程にも感性が関わってきます。私たちは、実験や観察を通じて得られたデータと、自身の感覚経験とを照らし合わせることで、仮説の妥当性を判断します。例えば、実験結果が数値的に予想通りだったとしても、視覚的に違和感があれば、更なる探求が必要となるでしょう。
感性と探求の継続
デューイは、探求は一度完結するものではなく、絶えず続くプロセスであると考えました。そして、この探求を継続させていく原動力となるのも感性です。私たちは、探求を通じて新たな知識や理解を得ることで、世界に対する新たな疑問や興味を抱きます。このように、感性は私たちを常に未知の世界へと駆り立てる力となっています。