デューイの民主主義と教育の構成
第一部 教育という社会学的観点
本書の冒頭では、教育の根源的な側面として、それが本質的に社会的なプロセスであることを強調しています。デューイは、個人と社会は互いに切り離せない存在であり、教育は個人を社会に適応させ、社会を維持・発展させるための手段であると論じています。
第二部 教育という心理学的な観点
この章では、教育における個人の心理的な側面に焦点が当てられます。デューイは、伝統的な教育が、子供たちの自発性や興味を無視し、受動的な学習を強いるものであると批判します。彼は、真の教育は、子供たちの能動的な参加を促し、経験を通して学ぶことを重視する「経験主義」に基づくべきだと主張します。
第三部 教育における目標
ここでは、教育が目指すべき目標について、具体的な議論が展開されます。デューイは、教育の最終的な目標は、個人と社会の双方にとって望ましい「成長」であると述べています。そして、成長とは、単なる知識や技能の習得ではなく、批判的な思考力、問題解決能力、創造性、協調性など、生涯にわたって学び続けるために必要な能力を育むことを意味すると説明しています。
第四部 教育の制度
この章では、学校、家庭、地域社会など、教育を支える様々な制度について考察がなされます。デューイは、伝統的な学校教育が、社会から切り離された閉鎖的な空間で行われてきたことを批判し、学校は、社会とのつながりの中で、現実世界の問題に取り組む実践的な学びを提供する場であるべきだと主張します。
第五部 教育における素材
ここでは、歴史、地理、科学、芸術など、教育の具体的な内容について議論されます。デューイは、教科内容は、断片的な知識の寄せ集めではなく、子供たちの経験と関連付けられ、興味関心を喚起するものでなければならないと強調します。また、彼は、表現活動、構成活動、コミュニケーション活動など、子供たちの能動的な活動を重視する「活動主義」の重要性を説いています。