## デューイの民主主義と教育の対称性
教育と民主主義の関係性
デューイにとって、教育と民主主義は不可分な概念であり、相互に依存し合う関係にあります。彼は著書『民主主義と教育』の中で、民主主義は単なる政治体制ではなく、生活様式であり、常に発展し続ける社会生活の経験であると述べています。そして、この民主的な生活様式を維持し、発展させるためには、教育が不可欠であると説いています。
教育における対称性
デューイは、真の教育は教師と生徒、学校と社会、個人と共同体といった二項対立を超えた、相互作用と相互依存の関係の中で成り立つものであると考えました。
教師と生徒の対称性
伝統的な教育観においては、教師は知識を持つ指導者、生徒は知識を学ぶ受動的な存在として位置づけられてきました。しかし、デューイは、真の教育は教師と生徒が対等な立場で、共に学び、共に成長していくプロセスであると主張します。教師は生徒の経験や興味関心に基づいた学習を促進する役割を担い、生徒は自らの経験を社会や他者と結びつけながら、能動的に学習に取り組む必要があります。
学校と社会の対称性
デューイは、学校を社会から切り離された閉鎖的な場所としてではなく、民主主義社会を反映した共同体として捉えました。学校は社会の縮図として機能し、生徒は学校生活を通して、民主的な社会における市民としての資質を育んでいく必要があります。また、学校は社会と積極的に関わり、社会の課題解決に貢献していくことで、より良い社会の創造に貢献する役割を担うべきであると主張しました。
個人と共同体の対称性
デューイは、個人と共同体は対立する概念ではなく、相互に依存し合う関係にあると考えました。個人の成長は、共同体における社会的な相互作用を通して実現され、共同体の発展は、個人の能力の開花と貢献によって支えられます。教育は、個人が自身の能力を最大限に発揮すると同時に、共同体の一員としての責任を果たせるよう、両者を調和させる役割を担います。