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デューイの「論理学 探求の理論」の思考の枠組み

## デューイの「論理学 探求の理論」の思考の枠組み

デューイの主著『論理学—探求の理論』 (Logic: The Theory of Inquiry) は、従来の論理学が抱えていた問題点を克服し、探求の過程を重視した新しい論理学の体系を提示した画期的な著作です。 この著作において、デューイは思考を静的なものではなく、問題状況の解決を目指す動的なプロセスとして捉え直しました。

デューイの論理学における
「探求」の概念

デューイは、人間が真実に到達する過程を「探求」という言葉で表現しました。彼によれば、探求とは、不確かな状況から出発し、観察、実験、推論などの論理的な操作を経て、妥当な解決に到達するまでのプロセスを指します。

探求の5段階

デューイは、探求のプロセスを以下の5つの段階に分け、それぞれの段階における思考の働きを詳細に分析しました。

1. **問題状況**: 探求は、常に具体的な問題状況から始まります。この段階では、漠然とした疑問や違和感が生じ、それが明確な問題として意識されるようになります。

2. **問題の確定**: 問題状況が漠然としたものである場合、それを明確化し、分析可能な形に定義することが必要となります。この段階では、観察や予備的な調査を通して、問題の本質を明らかにしていきます。

3. **仮説の形成**: 問題を解決するために、様々な仮説が提案されます。仮説とは、問題に対する暫定的な解答であり、その真偽はさらなる検証によって判断されます。

4. **仮説の展開**: 提案された仮説を、論理的な推論や実験、観察などを通して検証します。この段階では、仮説から導かれる予測と、実際に得られた結果を比較検討します。

5. **仮説の検証**: 仮説が検証され、問題に対する妥当な解答が得られた段階です。しかし、デューイは、この段階で得られた解決も絶対的なものではなく、新たな問題状況が生じた場合には、再び探求のプロセスが開始されると考えました。

探求における論理の役割

デューイは、論理を形式的な推論規則の体系と捉えるのではなく、探求の過程を導くための道具として位置づけました。 彼によれば、論理的な思考は、問題の分析、仮説の形成、検証など、探求のあらゆる段階において重要な役割を果たします。

知識の形成と成長

デューイは、知識を静的なものではなく、探求のプロセスを通して絶えず形成され、成長していくものと捉えました。探求を通して得られた解決は、新たな問題状況を生み出す可能性もあり、知識は常に暫定的かつ発展的なものとなります.

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