## デューイの「経験と自然」からの学び
経験の偏在性と自然的基盤
デューイは、経験を人間中心的な狭い視点から解放し、自然との相互作用の中で捉えようとしました。「経験と自然」において、彼は経験を、生物と環境との間の動的な関係性として提示します。人間もまた自然の一部であり、その経験は自然のプロセスと不可分に結びついています。
経験の二つの側面:行為と受動
デューイは、経験を「行為」と「受動」の二つの側面から分析します。私たちは環境に働きかけ、変化を生み出す能動的な存在であると同時に、環境から影響を受け、変容させられる受動的な存在でもあります。経験とは、この行為と受動の相互作用の過程と言えます。
習慣の役割と問題解決
デューイは、習慣が経験において重要な役割を果たすと考えます。習慣とは、過去の経験に基づいて形成された行動パターンであり、私たちが効率的に環境と相互作用することを可能にします。しかし、習慣は硬直化し、新たな状況に対応できなくなることがあります。このとき、私たちは「問題」に直面し、新たな習慣を形成する必要性に迫られます。
探求としての思考
デューイにとって、思考とは問題解決のための探求活動です。私たちは問題に直面したとき、仮説を立て、検証し、その結果に基づいて新たな行動を導き出します。思考は、経験の連続性の中で生み出され、新たな経験を形成するための手段となります。