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デュルケームの宗教生活の原初形態を面白く読む方法

## デュルケームの宗教生活の原初形態を面白く読む方法

「宗教生活の原初形態」は、社会学の古典として名高いものの、その難解さゆえに、読み通すこと自体が困難と感じる人も少なくないでしょう。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、この古典をより深く、そして面白く読むことができます。

1. デュルケームの「問い」に注目する

デュルケームはこの本で、一体どんな「問い」に答えようとしたのでしょうか?それは、
「宗教という普遍的な現象の起源は何なのか?」
という、人類にとって根源的な問いです。彼は、あらゆる社会に宗教が存在することに注目し、その共通の基盤を探ろうとしました。

2. トーテミズムを手がかりに

デュルケームは、オーストラリアの先住民社会におけるトーテミズムを分析することで、宗教の起源に迫ろうとしました。トーテミズムとは、特定の動植物をトーテムとして崇拝し、それと結びついた儀式や禁忌を持つ宗教形態です。彼は、トーテミズムこそが、宗教の最も原始的な形態であり、そこから複雑な宗教へと発展したと考えました。

3. 社会とのつながりに注目する

デュルケームは、宗教の本質は、神や超越的な存在に対する信仰ではなく、「聖」と「俗」の区別、そして集団的な儀式や儀礼にあると主張しました。彼は、宗教が社会集団の結束を強め、共通の価値観や規範を共有するための重要な役割を果たすと考えました。

4. 現代社会への応用を考える

「宗教生活の原初形態」は、現代社会における宗教の役割を考える上でも示唆に富んでいます。現代社会は、科学技術の発達や個人の自由の重視など、デュルケームの時代とは大きく変化しました。しかし、宗教が人々の心の支えとなり、コミュニティ形成に貢献している点は、現代においても共通しています。

5. 批判的に読む

デュルケームの理論は、発表当時から現在に至るまで、多くの議論を巻き起こしてきました。例えば、トーテミズムを宗教の起源とみなす見方や、宗教を社会構造の反映と捉える機能主義的な視点には、批判もあります。重要なのは、デュルケームの主張を鵜呑みにするのではなく、その論理展開を批判的に読み解き、自分なりの考えを深めていくことです。

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