## デュルケームの宗教生活の原初形態の対称性
聖と俗の対称性
デュルケームは、宗教生活の原初形態において、世界を聖と俗という二つの領域に明確に区別することが重要であると述べています。聖なるものは、集団にとって特別で重要な意味を持ち、畏敬の念やタブーによって取り扱われます。一方、俗なるものは、日常生活における profane な事柄を指します。この二つの領域は、相互に排他的でありながらも、互いに影響を与え合いながら、宗教生活を構成しています。
集団と個人の対称性
デュルケームは、宗教的実践が個人ではなく、集団によって生み出され、共有されるものであることを強調しています。彼は、宗教経験の本質は、集団的な興奮状態、すなわち「コレクティブ・エフェルヴェサンス」にあると主張します。この状態において、個人は集団と一体となり、超越的な力を感じ取ります。そして、この経験を通じて、集団の価値観や規範が強化され、社会的な結束が強まります。
表象と儀礼の対称性
デュルケームは、宗教生活が、聖なるものの表象と、それを表現するための儀礼という二つの要素から成り立っていると説明しています。トーテミズムを例に挙げると、トーテムは氏族の象徴であり、聖なる力を宿すと考えられています。そして、トーテムにまつわる儀礼を通じて、氏族成員は集団的な一体感を経験し、社会的な絆を深めます。このように、表象と儀礼は相互に補完し合いながら、宗教生活を支えています。