## デュマの王妃マルゴの評価
評価のポイント
デュマの小説「王妃マルゴ」は、史実を基にした歴史小説であり、その評価には以下の様なポイントが挙げられます。
* 史実と虚構の織り交ぜ方
* 登場人物の描写
* 文体とストーリー展開
史実と虚構の織り交ぜ方
「王妃マルゴ」は、16世紀後半のフランスを舞台に、サン・バルテルミの虐殺をはじめとする宗教戦争の渦中に生きたマルグリット・ド・ヴァロワ（マルゴ）の波乱万丈な生涯を描いています。
史実上の人物や事件を多く扱っていますが、デュマは史実を忠実に再現することよりも、ドラマティックで面白みのある物語を構築することを重視しました。
そのため、歴史的事実と異なる部分や、創作による脚色が多く見られます。
登場人物の描写
デュマは登場人物の性格付けを巧みにこなし、生き生きとした人物像を描き出しています。
特に、主人公のマルゴは、美貌と知性、そして強い意志を持った魅力的な女性として描かれ、読者の共感を誘います。
また、アンリ・ド・ナヴァールやシャルル9世といった歴史上の重要人物たちも、それぞれの個性や立場、思惑が丁寧に描写されており、物語に深みを与えています。
文体とストーリー展開
デュマは、明快で読みやすい文体を駆使し、複雑な歴史的背景や人間関係を分かりやすく描き出しています。
また、スピーディーなストーリー展開と、随所にちりばめられたサスペンス要素が、読者を飽きさせません。
歴史小説でありながら、エンターテイメント性も高く、幅広い層の読者から支持を得ている点が特徴です。