## デュマの王妃マルゴの光と影
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光:慈悲深く、情熱的で、自由奔放な王妃
デュマの小説「王妃マルゴ」において、マルゴは複雑で多面的な人物として描かれています。彼女の光とされる部分は、その人間性から強く浮かび上がります。
マルゴは慈悲深い心の持ち主として描かれます。ユグノー教徒であるラ・モールと恋に落ちた彼女は、宗教対立の渦中で彼を庇い、命を救おうと奔走します。 これは彼女が、愛と寛容さを持ち、宗教や出自に囚われない心の広さを持っていることを示しています。
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影:策略家、享楽主義、残酷さ
一方、マルゴの影の部分も作中で明確に描かれています。彼女は自身の目的を達成するためには手段を選ばない策略家としての顔も持ち合わせています。
権力闘争に巻き込まれていく中で、彼女は冷酷な判断を下す場面も見られます。自身の立場を守るため、時には陰謀を企て、周囲の人間を操ることも厭いません。 特に、兄アンリ三世との関係においては、その狡猾さを発揮する場面が度々登場します。
また、マルゴは享楽的な生活を好み、多くの愛人を持ちます。これは当時の宮廷社会では珍しいことではありませんでしたが、彼女の奔放さは人々の目に映りました。
このように、デュマの「王妃マルゴ」は、光と影の両面を併せ持つ複雑な女性として描かれています。 慈悲深さと残酷さ、愛と策略、奔放さと孤独、これらの対照的な要素が混在することで、彼女はより人間味あふれる魅力的な人物として読者の心を掴みます。