デュマの三銃士の発想
17世紀フランスを舞台とした小説
デュマは、17世紀フランスを舞台とした歴史小説を書くことを構想しました。当時、フランスでは歴史小説が人気を博しており、デュマ自身も歴史に興味を持っていました。
実在の人物をモデルとした「銃士隊」
デュマは、実在したルイ13世治世下の銃士隊を題材にすることを思いつきました。銃士隊は、国王を守るエリート部隊であり、勇敢で忠誠心の高い騎士たちの集団として知られていました。デュマは、銃士隊の活躍を描くことで、読者に興奮と感動を与えることができると考えました。
「三銃士」とダルタニアン
デュマは、銃士隊の中でも特に有名な「三銃士」、アトス、ポルトス、アラミスの3人を主人公に据えました。そして、彼らに憧れる、ガスコーニュ出身の若者ダルタニアンを主人公に加えました。ダルタニアンは、無鉄砲で向こう見ずな性格ながらも、正義感が強く、友情に厚い青年として描かれています。
「回想録」という体裁
デュマは、「三銃士」の物語を、ダルタニアン自身の回想録という体裁で描くことを思いつきました。これにより、物語にリアリティを持たせるとともに、ダルタニアンの視点から事件を描くことで、読者の感情移入を促す効果を狙いました。
歴史的事実とフィクションの融合
デュマは、「三銃士」の物語に、史実を織り交ぜることで、リアリティを高めました。例えば、物語の背景には、フランスとイギリスの対立や、カトリックとプロテスタントの宗教対立といった、当時の歴史的状況が反映されています。ただし、デュマは史実にとらわれず、大胆なフィクションを盛り込むことで、エンターテイメント性の高い作品に仕上げています。