デフォーのロビンソン・クルーソーの構成
第一部：漂流に至るまでと無人島での生活
本作はロビンソン・クルーソーの一人称視点で語られます。物語は、クルーソーがイングランド中流階級の家庭に生まれ、安定を求めずに冒険を求める人生を選んだことから始まります。彼は幾度かの航海を経て、奴隷貿易のためアフリカへ向かう船に乗り込みますが、航海中に嵐に遭い無人島に漂着します。
無人島でたった一人取り残されたクルーソーは、絶望と孤独に苛まれながらも、生き延びるためにあらゆる手段を講じます。彼は難破船から食料や道具、武器などを運び出し、住居を築き、自給自足の生活を始めます。彼は試行錯誤を繰り返しながら、農耕や牧畜、陶器作りなどの技術を習得し、次第に無人島での生活に適応していきます。
第二部：フライデーとの出会い
無人島での生活も20年以上が経過した頃、クルーソーは人の足跡を発見します。島に来た者がいることを知って恐怖するクルーソーでしたが、後にそれは人食い族が儀式のために連れてきた捕虜であることを知ります。クルーソーは彼らを襲撃し捕虜を救出、彼のことを「フライデー」と名付けます。
フライデーはクルーソーに忠実な召使いとなり、言葉や文化の違いを超えて友情を育んでいきます。フライデーとの出会いは、クルーソーに人間らしい感情や社会性を取り戻させるとともに、無人島での生活に大きな変化をもたらします。
第三部：文明社会への復帰
やがて、クルーソーはイギリス船が島にやって来たのをきっかけに、フライデーと共に無人島から脱出します。28年ぶりに文明社会に復帰したクルーソーは、イングランドで待ち受けていた家族と再会し、財産を築いていたことを知ります。
物語は、クルーソーがブラジルに残してきた農園を再び訪れた後、イングランドに戻り結婚して家庭を持つところで終わります。晩年になっても冒険への情熱を捨てきれずにいたクルーソーは、再び航海に出ることを示唆して物語を終えます。