デフォーのモール・フランダースの感性
モールの自己中心的性について
モール・フランダースは、物語を通して、自身の幸福と経済的安定を何よりも優先する姿が描かれています。幼少期の貧困体験から、経済的な安定を強く求めるようになり、そのために手段を選ばない行動に出ることがしばしばあります。
社会道徳との葛藤
モールは当時の社会道徳と自身の欲望との間で葛藤を抱えています。盗みや詐欺などの犯罪行為に手を染めながらも、罪悪感を抱く場面も描かれています。しかし、最終的には自身の生存本能や欲望が、道徳的な観念に勝ってしまう様子が描かれています。
宗教観
モールは宗教的な言葉を口にする場面も散見されますが、その行動は必ずしも敬虔な信仰に基づいているわけではありません。むしろ、自身の状況を有利に導くための方便として宗教を利用している節が見られます。
恋愛と結婚に対する考え方
モールは、愛情よりも経済的な安定を重視して結婚相手を選ぶ傾向があります。結婚を経済的な上昇の手段として捉えており、愛情や倫理的な観念よりも、経済的な利益を優先する様子が描かれています。