## デフォーのモール・フランダースの光と影
モール・フランダースの光
* **したたかで、逆境を生き抜く力を持っている:** モールは貧困や社会の偏見といった逆境に何度も直面しますが、その度に持ち前の機転とたくましさを発揮し、生き延びようとします。彼女は決して運命に屈することなく、常に状況を打開しようと努力します。
* **愛情深く、人間らしい感情を持つ:** モールは決して聖人君子ではありません。むしろ、窃盗や詐欺、近親婚といった罪を重ねる複雑な人物です。しかし、その一方で、子供たちへの愛情や、ジェントルマンへの情熱など、人間らしい感情を垣間見せる場面も描かれています。
* **当時の社会の現実を映す鏡:** モールの生き様は、18世紀のイギリス社会における女性や貧困層の厳しい現実を反映しています。彼女は自分の境遇に抗い、社会のルールに縛られずに生きようとしますが、それは同時に、当時の社会が抱える問題を浮き彫りにしています。
モール・フランダースの影
* **物質主義と道徳心の欠如:** モールは富と社会的地位を追い求めるあまり、窃盗や詐欺といった犯罪に手を染めていきます。彼女は自分の行動によって他者がどのような影響を受けるかを顧みることが少なく、道徳心の欠如が目立ちます。
* **男性に依存した生き方:** モールは経済的な安定と社会的地位を得るために、複数の男性と結婚や愛人関係を繰り返します。彼女は自分の力で生きていくことを望みながらも、結局は男性に依存した生き方から抜け出すことができずにいます。
* **自己中心的で自己弁護的な言動:** モールは自分の行動を正当化するために、巧みな言い訳や自己弁護を繰り返します。彼女は自分の罪を認めながらも、どこか他人事のように語り、反省の色が薄い場面も見られます。