デカルトの省察の関連著作
デカルトに影響を与えた書物
* **アリストテレス『形而上学』:** デカルトの哲学は、伝統的な形而上学、特にアリストテレスの形而上学に対する批判から出発しています。『省察』でも、アリストテレス哲学の権威主義的な側面や、感覚経験に基づく認識論、そして魂と身体の関係性に対する見解などが批判的に検討されています。
* **アウグスティヌス『告白』:** アウグスティヌスの思想は、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」というテーゼに大きな影響を与えました。『告白』における内省的な自己認識の探求は、『省察』における自己の確実性の探求と深く共鳴しています。特に、懐疑主義的な議論を用いながら、自身の内面を探求していく手法は、両者に共通する点です。
デカルトの省察に対する同時代の反応
* **ガッサンディ『異教哲学者の意見の相違点および、新哲学とのかかわりについて』:** ガッサンディは、デカルトの合理主義的な方法と「我思う、ゆえに我あり」の出発点に疑問を呈しました。彼は、感覚経験の重要性を強調し、人間の認識は不完全で誤りを免れないことを主張しました。
* **メルセンヌ『省察についての異論と反論』:** メルセンヌは、デカルトと親交の深い人物であり、『省察』の出版に際しても重要な役割を果たしました。彼は、デカルトの思想を擁護しながらも、いくつかの点で疑問を呈し、さらなる説明を求めました。
* **エリザベス・オブ・ボヘミアとの往復書簡:** エリザベスは、デカルトの哲学に深い関心を抱き、特に心身問題について鋭い質問を投げかけました。デカルトは、彼女との書簡の中で、自身の二元論を擁護しつつ、心と身体の相互作用について説明を試みました。
デカルトの省察の影響を受けた書物
* **スピノザ『エチカ』:** スピノザは、デカルトの合理主義的な方法と実体二元論を継承しつつも、独自の体系を構築しました。彼は、神と自然を同一視し、心と身体は一つの実体の異なる属性であると主張しました。
* **ライプニッツ『人間悟性新論』:** ライプニッツは、デカルトの生得観念説を批判し、すべての観念は経験から生じると主張しました。また、彼は、心身平行論を唱え、心と身体は互いに独立して存在しながら、あらかじめ調和されていると説明しました。
* **ロック『人間悟性論』:** ロックは、デカルトの生得観念説を批判し、「白紙状態」の心を提唱しました。彼は、人間の知識はすべて経験から得られると主張し、経験論の基礎を築きました。