デカルトの方法序説を面白く読む方法
デカルトの人物像と時代背景に迫る
「我思う、ゆえに我あり」で有名なデカルトですが、彼の人生や当時の社会背景を知ることで、より深く「方法序説」を理解することができます。デカルトは16世紀末から17世紀前半を生きたフランスの哲学者であり、数学者、科学者としても活躍しました。
彼は、それまでの伝統的なアリストテレス哲学に疑問を抱き、新しい確実な知識体系を築き上げようとしたのです。当時のヨーロッパは宗教改革や地動説の登場など、大きな転換期を迎えていました。
デカルトは、このような時代の流れの中で、揺るぎない真理を求めていました。彼の生きた時代背景や、そこから生まれた問題意識を知ることで、「方法序説」に込められたメッセージがより鮮明に浮かび上がってくるでしょう。
「方法序説」は難解な哲学書ではないと考える
「方法序説」は、デカルト自身の学問の方法を分かりやすく示した書です。哲学書ではありますが、難解な専門用語を避け、平易な言葉で書かれています。
まずは気負わずに、エッセイを読むような感覚で読み進めてみましょう。デカルト自身の経験に基づいた率直な語り口は、現代の私たちにとっても共感を覚える部分が多いはずです。
例えば、彼は若い頃に学んだ学問に失望し、真の知識を求めて放浪の旅に出ます。そして、様々な経験を通して、自分自身の理性に頼って真理を探求していくことの大切さに気づくのです。
このように、「方法序説」は、デカルト自身の知的探求の旅路を描いた、いわば冒険物語として楽しむこともできます。
「方法序説」で提示された４つの規則を実践してみる
デカルトは「方法序説」の中で、正しい認識に到達するための４つの規則を提示しています。
* 明証的に真であると認められること以外は、決して受け入れないこと
* 考察する難問を、できるだけ小さな部分に分けること
* 最も単純なもの、認識しやすいものから順序立てて認識すること
* 完全に枚挙し、全体を見渡すこと
これらの規則は、哲学的な思考法だけでなく、日常生活の様々な場面でも役立ちます。
例えば、何か問題に直面した時、デカルトの規則に従って考えてみましょう。問題を分解し、順序立てて解決策を探っていくことで、より確実な答えを導き出すことができるはずです。
このように、「方法序説」を単なる古典として読むのではなく、現代社会を生きる上での実践的な指針として捉え直すことで、より面白く、そして有益な読書体験となるでしょう。