デカルトの方法序説の感性
感性とは何か
デカルトにおいて、「感性」は、外界からの刺激を、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚器官を通して受け取る能力を指します。
感覚と認識
デカルトは、感覚によって得られる情報は、そのままでは確実な認識とは言えないと主張します。なぜなら、感覚はしばしば我々を欺くからです。例えば、遠くにあるものは小さく見えたり、水に浸かっている棒は曲がってみえたりします。
感覚の役割
しかし、デカルトは感覚を全く否定しているわけではありません。感覚は、世界を認識するための第一歩として重要な役割を担っています。感覚を通して得られた情報は、理性によって吟味され、整理されることで、はじめて真の認識へとつながっていくのです。
感性の限界
デカルトは、感覚には限界があることを明確に認識していました。感性の限界を示すものとして、夢の経験を挙げることができます。夢の中では、現実と同じように鮮明な感覚体験をすることができますが、それは現実ではありません。このことから、感覚は現実をありのままに映し出すものではないことがわかります。