## デカルトの方法序説に匹敵する本
###
「自然哲学の数学的諸原理」 アイザック・ニュートン
1687年に出版された「自然哲学の数学的諸原理」(プリンキピア)は、古典力学の基礎を築いた記念碑的作品です。ニュートンは、本書において万有引力の法則と運動の法則を提唱し、地球上の物体の運動から天体の運行までを統一的に説明しました。
「方法序説」と同様に、「プリンキピア」は近代科学の出発点とされ、その後の科学の発展に計り知れない影響を与えました。ニュートンは、観察と実験に基づいた帰納的な方法を用い、数学的な言語を用いて自然現象を記述しました。これは、デカルトの演繹的な方法とは異なるものの、科学における合理主義的なアプローチを体現している点で共通しています。
「プリンキピア」は、その後の物理学、天文学、数学などの発展に大きく貢献しました。例えば、ニュートンの運動の法則は、後の時代に発展するエネルギー保存の法則や運動量保存の法則の基礎となりました。また、万有引力の法則は、惑星の運動だけでなく、宇宙の構造や進化の理解にもつながりました。
###
「種の起源」 チャールズ・ダーウィン
1859年に出版された「種の起源」は、生物学における革命的な書物です。ダーウィンは、自然選択説を提唱し、生物が共通祖先から長い時間をかけて進化してきたことを明らかにしました。
「方法序説」と「プリンキピア」が物理世界を理解するための枠組みを提供したように、「種の起源」は、生命世界を理解するための新たな視点を提供しました。ダーウィンは、膨大な観察と収集したデータに基づいて、帰納的な方法を用いて進化論を構築しました。これは、デカルトやニュートンの合理主義的なアプローチとは異なるものの、科学における実証主義的な方法の発展に大きく貢献しました。
「種の起源」は、出版当初は大きな議論を巻き起こしましたが、その後、多くの科学者によって支持され、生物学の中心的な理論としての地位を確立しました。進化論は、生物学だけでなく、医学、農学、そして人文社会科学にも大きな影響を与え続けています。