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デカルトの「方法序説」の思想的背景

## デカルトの「方法序説」の思想的背景

ルネサンスの影響

デカルトは1596年生まれであり、ルネサンス後期から続く知的活気の影響を強く受けています。ルネサンス期には、中世のスコラ哲学が重視したアリストテレス主義への批判が高まり、人間理性による世界の理解と、それに基づく社会や文化の建設が志向されました。デカルトもまた、偏見や先入観にとらわれず、人間理性に基づいて世界の真理を探求することを目指しました。「方法序説」で提示された「我思う、ゆえに我あり」という命題は、人間の理性こそが確実な基盤であるというデカルトの思想を象徴しています。

数学の確実性への着目

デカルトは、当時の学問の中に見られる不確実性や矛盾に対し、強い疑念を抱いていました。そこで彼は、揺るぎない真理に到達する方法を模索する中で、数学の論理的厳密性と明晰さに着目します。数学は、自己矛盾のない公理から出発し、論理的な推論によって確実な結論を導き出すことができます。デカルトは、この数学的方法こそが、他のあらゆる学問分野にも適用できる普遍的な方法であると確信し、「方法序説」においてその方法を提示しようとしました。

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