テグジュペリの風、砂と星を読む
サハラ砂漠という舞台
「風、砂と星」は、大部分がサハラ砂漠を舞台としています。テグジュペリは、郵便飛行士として、広大で過酷な砂漠を何度も横断しました。灼熱の太陽、果てしなく続く砂丘、そして、生命の存在を感じさせない静寂。テグジュペリは、自身の体験を通して、サハラ砂漠の厳しさと、同時に、その美しさを描いています。
飛行士としての視点
テグジュペリは、先駆的な飛行士の一人として、空から世界を見るという特別な経験をしていました。「風、砂と星」には、飛行中に出会う嵐や霧、夜空の星など、空からの視点ならではの描写が多く見られます。 これらの描写は、自然の雄大さ、人間の小ささ、そして、飛行という行為のもつ孤独や不安を感じさせます。
人生と友情の考察
砂漠での遭難や、仲間との出会いと別れを通して、テグジュペリは、人生、友情、そして人間の絆について深く考察しています。 過酷な状況下において、人間はどのように生きるべきなのか、何のために生きるのか、という問いを、読者に投げかけています。