テグジュペリの星の王子様の原点
テグジュペリの生い立ちと星の王子様
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、1900年、フランスのリヨンで、古い貴族の家系に生まれました。幼少期は、家族の所有する城で、比較的裕福な環境で育ちました。
飛行経験とサハラ砂漠
1921年、テグジュペリは兵役につき、空軍に配属されました。これが彼の人生における大きな転機となります。 彼は飛行に魅了され、郵便飛行士としてアフリカや南アメリカなど、世界各地を飛び回りました。
1935年、パリからサイゴンへ向かう飛行中に、テグジュペリと彼のナビゲーターはサハラ砂漠に墜落しました。過酷な環境下、彼らはわずかな水と食料だけで、生死をさまようことになります。
このサハラ砂漠での経験は、「星の王子様」に大きな影響を与えました。広大な砂漠の風景、孤独、死と隣り合わせの状況は、「星の王子様」の舞台やテーマに色濃く反映されています。
第二次世界大戦と星の王子様の執筆
1939年、第二次世界大戦が勃発すると、テグジュペリは再び空軍に志願します。 しかし、フランスはナチス・ドイツに敗北し、テグジュペリはアメリカに亡命します。
「星の王子様」は、彼がアメリカで過ごした亡命生活の中で執筆されました。戦争という現実と、故郷フランスへの想いは、 テグジュペリに「大切なものは何か」を深く考えさせることになりました。
星の王子様 – テグジュペリの分身
「星の王子様」の主人公である王子様は、純粋な心を持った、愛らしい存在です。 テグジュペリは、この王子様に、子供時代の自分自身を重ね合わせていたと言われています。
飛行士 – もう一人のテグジュペリ
「星の王子様」には、もう一人重要な登場人物がいます。それは、サハラ砂漠で王子様と出会う飛行士です。
飛行士は、現実的で、大人らしい考え方を持つ人物として描かれています。テグジュペリは、この飛行士を通して、大人になっていくことへの不安や、純粋さを失ってしまうことへの悲しみを表現したのかもしれません。