ダーウィンの種の起源の関連著作
ジャン=バティスト・ラマルク『動物哲学』 (1809年)
ラマルクは、ダーウィンよりも前に生物進化の理論を提唱したフランスの博物学者です。
彼の代表作である『動物哲学』は、生物は環境に適応することによって進化するという「用不用説」を提唱し、進化論の先駆的な役割を果たしました。
ラマルクは、生物が生涯を通じてよく使う器官は発達し、使わない器官は退化するという考えを示しました。
そして、このようにして獲得された形質は子孫に遺伝すると主張しました。
例えば、キリンは高い木の葉を食べるために首を伸ばし続け、その結果、首が長いキリンが進化したと説明しました。
チャールズ・ライエル『地質学原理』 (1830-1833年)
ライエルは、ダーウィンに大きな影響を与えたイギリスの地質学者です。
彼の著書『地質学原理』は、地球の形成と変化は、現在も観察されるような、風化や侵食、火山活動といったきわめて緩やかな自然のプロセスの積み重ねによって起こるとする「斉一説」を提唱しました。
これは、当時の主流であった、地球の歴史は天変地異によって形作られたとする「天変地異説」に対抗するものでした。
ライエルの斉一説は、ダーウィンに進化が非常に長い時間をかけて徐々に起こるという考え方を示唆しました。
トマス・ロバート・マルサス『人口論』 (1798年)
マルサスは、イギリスの経済学者です。
彼の著書『人口論』は、人口は幾何級数的に増加する一方で、食料生産は算術級数的にしか増加しないため、いずれ人口が食料供給を上回り、飢饉や貧困が発生するという「人口法則」を提唱しました。
ダーウィンはマルサスの考え方を生物界に適用し、「すべての生物は生存できる数よりも多くの子孫を生み出すため、限られた資源をめぐる生存競争が生じる」という「生存競争」の概念を導き出しました。