## ダーウィンの種の起源に匹敵する本
ニコラウス・コペルニクス著「天球の回転について」
1543年に出版された本書は、それまでの地球中心説(天動説)を覆し、太陽中心説(地動説)を提唱した画期的な天文学書です。古代ギリシャ以来、アリストテレスやプトレマイオスによって体系化された地球中心説は、キリスト教の世界観とも結びつき、1000年以上にわたって揺るぎないものとされてきました。
コペルニクスは、本書で詳細な観測データと数学的計算に基づき、地球ではなく太陽が宇宙の中心であり、地球は他の惑星と同様に太陽の周りを公転していると主張しました。この革新的な説は、当時の学者や宗教界に大きな衝撃を与え、激しい論争を引き起こしました。
「天球の回転について」は、単に天文学の分野にとどまらず、人間の世界観、宇宙観を根本から覆す革命的な書物となりました。その影響は、後のガリレオ・ガリレイ、ヨハネス・ケプラー、アイザック・ニュートンといった科学者たちに受け継がれ、近代科学の発展に大きく貢献しました。