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ダンテの神曲に匹敵する本

## ダンテの神曲に匹敵する本

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ミルトン著「失楽園」

ジョン・ミルトンによる叙事詩「失楽園」は、17世紀イギリス文学を代表する作品であり、「神曲」と同様に、西洋文学史上に燦然と輝く金字塔の一つです。アダムとイブの楽園追放という旧約聖書の物語を題材に、善と悪、自由意志と運命、人間の罪と神の慈悲といった深遠なテーマを壮大なスケールで描き出しています。

「神曲」と「失楽園」は、どちらもキリスト教的世界観を背景に持つ点で共通しています。ダンテが中世カトリックの教義に基づいて天国、煉獄、地獄の三界を描いたのに対し、ミルトンはプロテスタントの立場から、神の絶対的な権威と人間の自由意志の葛藤をより深く掘り下げています。また、両作品とも、古典文学からの影響を色濃く受け継いでいる点も見逃せません。ダンテがウェルギリウスを案内役として登場させるように、ミルトンもホメロスやウェルギリウスの叙事詩の形式を踏襲し、格調高い文語で壮大な物語を紡ぎ上げています。

「神曲」がダンテ個人の魂の救済の旅を描いた作品であるのに対し、「失楽園」は、アダムとイブという人類全体の原罪と、そこから始まる救済の物語として、より普遍的なテーマを扱っています。この点において、「失楽園」は「神曲」を超えるスケールと深みを持つ作品と言えるかもしれません。

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