# ダンテの煉獄篇を面白く読む方法
１．予備知識を入れておく
いきなり『煉獄篇』から読み始めるのは、登山ルートの地図を持たずに、いきなり山の中腹から登り始めるようなもの。
まずは『神曲』全体の構成、そして『地獄篇』で起きた出来事について、簡単にでも良いので頭に入れておきましょう。
『地獄篇』でダンテが通った苦しみの道のりを思い出すことで、『煉獄篇』で描かれる浄化の旅がより鮮明に浮かび上がってきます。
２．登場人物に注目する
『煉獄篇』には、個性豊かな登場人物たちが数多く登場します。
彼らの罪と罰、そして悔い改める姿を通して、人間の弱さや強さ、そして愛と希望を描いている点がこの作品の大きな魅力の一つです。
それぞれの登場人物の背景や、ダンテとの関係性にも注目しながら読み進めてみましょう。
３．象徴を読み解く
『煉獄篇』は、キリスト教的世界観に基づいた寓意に満ちた作品です。
山や道、登場人物といった様々な要素が象徴的な意味を持っていることを意識しましょう。
例えば、煉獄山は魂の浄化の過程、それぞれの段は特定の罪を象徴しています。
詩の随所に散りばめられた象徴を読み解くことで、ダンテが伝えようとした深いテーマが見えてくるはずです。
４．美しい詩的な表現を楽しむ
『神曲』は、イタリア語文学の最高傑作と称されるほど、その詩的な美しさで知られています。
日本語訳で読む場合でも、原詩のリズムや韻律、言葉の選び方など、可能な限り意識することで、より深く作品の世界観に浸ることができます。
声に出して読んでみるのも良いでしょう。
５．自分なりの解釈を見つける
『煉獄篇』は、700年以上も前に書かれた作品でありながら、現代社会にも通じる普遍的なテーマを含んでいます。
読み手一人ひとりが、作品と向き合い、自分自身の経験や価値観と重ね合わせながら、自由に解釈することができます。
「罪と罰」「贖罪と希望」といったテーマについて、あなた自身はどう考えるのか、自問自答しながら読み進めてみましょう。