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ダイシーの法と世論の位置づけ

ダイシーの法と世論の位置づけ

ダイシーの法と世論

イギリスの法学者、憲法学者であったアルバート・ヴェン・ダイシー(Albert Venn Dicey, 1835-1922)は、1885年に出版した『The Law of the Constitution』(邦題:『憲法講義』)の中で、イギリス憲法の根本原理として「議会主権」と並んで「法の支配」の原則を挙げ、後者を構成する要素の一つとして「世論」を位置づけました。

ダイシーの議論

ダイシーは、「世論」が法の制定や執行、そして司法判断に影響を与えることで、イギリス憲法において重要な役割を果たしていると論じました。彼は、イギリス憲法が成文憲法典を持たず、慣習や判例、そして議会制定法といった複数の法源から成り立っていることを指摘し、これらの法源は、究極的には国民の世論によって形成され、変化していくものであると主張しました。

「世論」の位置づけ

ダイシーは、「世論」を法の支配を支える重要な要素として位置づけましたが、同時にその限界も指摘しています。彼は、当時のイギリス社会における選挙権の制限や、情報格差の問題などを踏まえ、「世論」が必ずしも社会全体の意見を反映しているわけではないことを認めていました。

現代におけるダイシーの議論

ダイシーの「法の支配」と「世論」に関する議論は、現代においてもなお重要な示唆を与えています。特に、現代社会における情報技術の発達やグローバル化は、世論形成のプロセスを大きく変化させており、ダイシーの議論を現代的に再解釈する試みが続けられています。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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