ダイシーの法と世論が関係する学問
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法社会学
A.V.ダイシーの著書『法と世論』は、法社会学の古典として位置づけられています。法社会学は、法と社会の関係を対象とする学問であり、法が社会から受ける影響や、逆に法が社会に与える影響について考察します。ダイシーは同書において、18世紀半ばから19世紀末にかけてのイギリスにおける立法の趨勢を分析し、それが同時代の世論と密接に関係していることを示しました。
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政治学
ダイシーの議論は、政治学、特に世論研究や政策決定過程論にも大きな影響を与えました。彼は、世論が法に影響を与える過程を、「立法者の個人的信念」「選挙制度」「メディア」といった具体的なメカニズムを通して説明しました。
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歴史学
『法と世論』は、19世紀イギリスの社会思想史を理解する上でも重要な文献です。ダイシーは、功利主義や自由主義といった思想が、当時の世論形成にどのように影響を与え、それが具体的な立法にどのように反映されたのかを詳細に分析しました。
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法哲学
ダイシーの著作は、法の根拠や正当性といった問題を扱う法哲学にも一定の影響を与えています。彼は、法の究極的な根拠は国民の同意にあるという考え方を示唆しており、これは社会契約論や民主主義理論と関連付けられます。