## タキトゥスのゲルマニアの周辺
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著者
ガイウス・コルネリウス・タキトゥス。紀元56年頃ガリア・ナルボネンシス生まれ。高位貴族の家に生まれ、政治家・雄弁家・歴史家として活躍。 執政官、属州総督などを歴任した後、歴史家としての活動に専念。
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成立年代
正確な成立年は不明。しかし、本書内で引用されている出来事や、他のタキトゥスの著作との関連から、紀元98年という説が有力視されています。
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執筆の目的
タキトゥス自身は明記していません。しかし、当時のローマ帝国にとってのゲルマン民族の脅威や、ローマ社会の堕落に対する警鐘など、複数の解釈が考えられています。
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内容
ゲルマニアの地誌、民族誌。ゲルマン民族の起源、風俗習慣、政治体制、軍事、宗教など、多岐にわたるテーマについて記述されています。
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史料的価値
ローマ人から見たゲルマン民族の姿を知る上で貴重な史料。
しかし、タキトゥス自身の偏見や誤解が含まれている可能性も指摘されており、注意深く読み解く必要があります。
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影響
ルネサンス期以降、ゲルマン民族の起源や歴史を探求する上で重要な文献として位置づけられました。 特に、ドイツでは国民意識の形成に大きな影響を与えたと言われています。