タキトゥスのゲルマニアからの学び
ゲルマン人の起源
タキトゥスは、ゲルマン人を、他の民族との混血がほとんどない、先住民族であり、純粋な民族であると信じていました。彼は、ゲルマン人の体格的特徴、すなわち、彼らの背の高さ、金髪、青い目などが、その純粋さの証拠であると主張しました。また、ゲルマン人は、贅沢や退廃に染まっていない、質素で勇敢な人々であると説明しています。
ゲルマン人の社会と文化
タキトゥスは、ゲルマン人の社会が、氏族や家族の絆を非常に重視していたことを記しています。彼は、個人の名誉と忠誠心が、家族や氏族の評判と密接に結びついていたことを強調しています。また、ゲルマン人の間では、女性が社会の中で比較的高い地位を与えられており、男性と共に政治や戦争に参加することもあったと述べています。
ゲルマン人の政治制度
タキトゥスによると、ゲルマン人の政治制度は、王や族長による支配と、民会による合議制が組み合わさったものでした。彼は、重要な決定は、民会において、自由な議論と投票によって行われていたと記しています。ただし、戦争や緊急事態においては、王や族長が大きな権力を振るうこともあったようです。
ゲルマン人の軍事力
タキトゥスは、ゲルマン人の軍事力を高く評価しており、特に歩兵の強さを強調しています。彼は、ゲルマン人が、規律正しく勇敢な戦士であり、密集隊形を組んで戦うことを得意としていたと述べています。また、ゲルマン人は、ローマ軍と比較して、装備や戦術の面では劣っていたものの、その不屈の闘志と地形を利用したゲリラ戦によって、ローマ軍を苦しめたことを記しています。