ソーロキンの社会学理論の対極
社会学的実証主義：デュルケーム『自殺論』
ピョートル・ソロキンは、社会学における彼の影響力にもかかわらず、その理論的立場、特に文化と文明の循環論的な見解のために、しばしば批判の的となってきました。彼の考え方の対極にある最も顕著な例として、エミール・デュルケームの著作、特に彼の1897年の著作『自殺論』が挙げられます。この画期的な研究は、社会学における実証主義的アプローチの典型であり、社会現象を説明するために、客観的な社会的事実の体系的な分析を用いています。
社会的事実の優位性
デュルケームの中心的な主張は、社会は単なる個人の集合体ではなく、独自の特性を持つ独自の現実であるということです。彼は、社会的事実、すなわち、個人の外部に存在し、個人に強制力を持つ方法、価値観、規範、制度を研究することによってのみ、社会を理解できると主張しました。この見解は、社会現象を個人の心理的または生物学的要因に還元しようとするソロキンのより理想主義的なアプローチとは全く対照的です。
自殺の社会学的説明
『自殺論』で、デュルケームはこの概念を例証するために、自殺という一見個人的かつ私的な行為を深く掘り下げています。膨大な量のデータの綿密な分析を通じて、彼は自殺率が社会集団によって異なり、社会統合と道徳的規制のレベルに関連していることを実証しています。彼は、社会統合が低い社会（つまり、個人間の絆が弱い社会）と道徳的規制が低い社会（つまり、社会規範が弱いか不明確な社会）は、自殺率が高い傾向にあることを発見しました。
科学的方法の重視
デュルケームの社会学的実証主義は、厳密な科学的方法を重視していることが特徴です。彼は、ソロキンの歴史的・哲学的アプローチとは対照的に、経験的データの体系的な収集、客観的な分析、理論的解釈の必要性を強調しました。デュルケームの目的は、客観的な証拠に基づいた社会生活の法則を発見することでした。彼の影響力のある研究は、社会学を、憶測や主観的な解釈ではなく、経験的証拠に基づいた科学分野として確立するのに役立ちました。