## ソシュールの一般言語学講義の原点
ソシュールの講義録を編纂して出版された経緯
フェルディナン・ド・ソシュール（Ferdinand de Saussure、1857-1913）自身は生前、一般言語学に関する著作を出版していません。彼がジュネーブ大学で行った一般言語学の講義（1906-1911）の内容は、受講生のノートをもとに、シャルル・バイイとアルベール・セシュ ayeによって編纂され、『一般言語学講義』（Cours de linguistique générale、1916）として出版されました。
講義録編纂の背景と出版の意図
ソシュールの講義は、当時の言語学の枠にとらわれない革新的な内容で、受講生に深い感銘を与えていました。バイイとセシュ ayeは、師であるソシュールの講義内容を後世に伝えるため、また、革新的な言語学理論を広く世に問うため、講義録の出版を決意しました。
編纂に使用された資料
バイイとセシュ ayeは、ソシュールの講義を直接受講した学生たちのノート、主に以下の二人のノートを主な資料として使用しました。
* Albert Riedlinger のノート（1907 年の講義）
* Emile Constantin のノート（1910-1911 年の講義）
編纂におけるバイイとセシュ ayeの解釈と介入
『一般言語学講義』はあくまで、受講生のノートという断片的な資料に基づいて編纂されたものです。バイイとセシュ ayeは、不足部分を補ったり、内容を整理したりする過程で、彼ら自身の解釈を加え、独自の構成や表現を用いています。そのため、『一般言語学講義』にソシュールの思想がそのまま反映されているとは言い切れません。