## ソシュールの一般言語学講義のメカニズム
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言語活動の二元性
ソシュールは、言語活動を「langue(言語)」と「parole(言語活動)」という二つの側面から捉えました。
* **langue(言語)**: 社会的に共有された記号体系であり、個々の話者の意識の外に存在する不変なものです。文法規則や語彙などがこれに当たります。
* **parole(言語活動)**: 個々の話者が具体的な場面で行う一回限りの言語行為を指します。発話や筆記などがこれに当たります。
ソシュールは、言語学の主要な研究対象はparoleではなく、langueであると主張しました。
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記号の恣意性
ソシュールは、言語記号は「シニフィアン(signifiant、記号表現)」と「シニフィエ(signifié、記号内容)」から成り立つとしました。
* **シニフィアン(signifiant、記号表現)**: 音の映像、つまり言葉の音や文字のことです。
* **シニフィエ(signifié、記号内容)**: シニフィアンによって想起される概念やイメージのことです。
ソシュールによれば、シニフィアンとシニフィエの結びつきは恣意的であり、必然的な関係はありません。例えば、「木」という概念を表すのに、日本語では「ki」、英語では「tree」という異なる音の映像が用いられています。
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価値の体系
ソシュールは、言語記号は他の記号との差異によってその価値が決まると考えました。「犬」という単語は、単独では意味を持ちません。「猫」「鳥」など、他の動物を表す単語との差異によって、初めて「犬」という概念が浮かび上がってきます。
このように、言語記号は単独では意味を持たず、体系全体の中で互いに関係し合いながら、その価値を規定し合っています。
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