## スラッファの商品の商品による生産の感性
スラッファの主著『商品による商品の生産』は、その題名からも明らかなように、感性や感情とは無縁の、経済現象の論理的な分析を意図したものです。スラッファ自身、序文において「本書は感情や意見を表明するものではない」と断言しています。
スラッファの分析における感性の排除
スラッファは、リカードの客観的な価値論を現代に復活させ、マルクスの搾取論のような倫理的・感性的な要素を排除しようとしました。彼の関心は、利潤や賃金といった経済変数の決定メカニズムを、技術的な生産条件と労働の再生産に必要な生活水準という客観的な要素から明らかにすることにありました。
感性を排除した客観的な分析の意義
スラッファの分析は、経済現象を感情や道徳的判断から切り離し、客観的な視点から考察することを可能にする点で画期的でした。これは、経済学を、個人の主観や価値観に左右されない、より科学的な分析に近づける試みであったと言えます。