## スミスの国富論の思考の枠組み
富とは何か
アダム・スミスは、それまでの重商主義的な考え方を批判し、「国富論」において国民の豊かさこそが国の豊かさであると定義しました。
そして、労働こそが富を生み出す源泉であると考え、国民一人一人が自身の利益を追求することで、結果的に国全体の経済が発展するという「見えざる手」の概念を提唱しました。
分業の重要性
スミスは、労働生産性を向上させるための重要な要素として「分業」を挙げました。
分業によって、作業の熟練度が向上し、作業時間の短縮や効率化が図れると主張しました。
有名なピン工場の例では、ピン製造を18の工程に分割することで、生産量が飛躍的に向上することを示しました。
市場メカニズム
スミスは、自由な市場における競争が、資源の最適な配分と価格決定を導くと考えました。
需要と供給の関係によって価格が調整されることで、社会全体の利益が最大化されるとしました。
国家の役割
スミスは、政府の役割を市場メカニズムを阻害しない範囲に限定すべきであると主張しました。
具体的には、国防、司法制度の維持、公共事業など、個人の力では達成困難な事業に限定されるとしました。
そして、政府による過度な介入は、市場の効率性を損ない、経済発展を阻害すると批判しました。