## スピノザのエチカの発想
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神あるいは自然
スピノザの哲学の根幹をなすのが、「神あるいは自然」という概念です。スピノザは、神と自然を同一視し、唯一の実体であると考えました。 この実体は無限であり、永遠であり、自己原因を持ちます。 言い換えれば、神は世界の外に存在する超越的な存在ではなく、世界そのもの、すなわち自然そのものであるということです。
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属性と様態
スピノザは、「神あるいは自然」という唯一の実体が、無限の属性を持つと考えました。 属性とは、実体の本質を構成するものであり、私たち人間には思考と extensión (広がり) という二つの属性が知覚可能です。 しかし、無限の実体である「神あるいは自然」は、この二つ以外にも無限の属性を持っているとされます。
様態とは、属性の変様であり、個々の具体的なものを指します。 例えば、人間は「思考」という属性の様態であり、木は「広がり」という属性の様態です。 様態は有限であり、常に変化し続ける存在です。
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決定論
スピノザは、世界は神の必然性によって決定されているという決定論を主張しました。 すなわち、あらゆる出来事は、神の必然性、すなわち自然法則に従って起こっており、偶然や自由意志は存在しないとしました。
これは、人間の行為もまた、神の必然性によって決定されていることを意味します。 しかし、スピノザは、だからといって人間は責任を負わなくてよいと主張したわけではありません。