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スピノザのエチカの思索

## スピノザのエチカの思索

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神について

『エチカ』は、幾何学的秩序に従って、「神」「心身」「情念」という主題を扱いながら、人間の自由と幸福の可能性を探求する書です。第一部「神について」では、伝統的な神理解を刷新し、神を無限の属性を持つ唯一の実体として捉え直します。

スピノザは、実体を「自己自身において存在し、自己自身によってのみ考えられるもの」と定義し、神を「無限の属性を本質において持つ実体」と規定します。属性とは、実体の本質を構成するものです。神は無限の属性を持つため、この世界に存在するすべてのものは、神の属性の表現であるとされます。

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心身平行論

第二部「心について」および第三部「情念について」では、人間の心身の関係と、情念のメカニズムを解き明かそうとします。スピノザは、デカルトの心身二元論を批判し、心と身体は独立した実体ではなく、神の属性である思考と延長の様態として、それぞれ神の属性を表現していると主張します。

これがスピノザの心身平行論であり、心と身体は相互作用するのではなく、神の同一の秩序に従って並行して存在するとされます。 また、情念は身体の作用であり、喜び、悲しみ、欲望といった様々な情念が、身体の状態の変化として説明されます。

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自由と幸福

第四部「人間の隷属について」では、人間は自らの情念に支配され、真の自由を持たないとされます。 しかし、第五部「知性について」では、理性に従って生きることによって、情念を制御し、真の自由と幸福に到達できると主張します。

理性を用いて世界の秩序、すなわち神を理解することで、人間は情念に振り回されるのではなく、それを統御し、自由を獲得できるとスピノザは考えます。そして、この神の秩序への知的な愛こそが、永遠の幸福をもたらすものだと結論づけます。

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