スティーヴンスンの宝島の対称性
海と陸の対比
「宝島」では、海と陸が対照的な空間として描かれています。海は自由と冒険、そして未知の危険を象徴する一方で、陸は安定と秩序、そして既知の社会を表しています。ジムは物語の冒頭では陸で退屈な生活を送っていますが、海に出ることで自由と冒険を経験します。しかし、海賊の出現によって、海は危険な場所へと変化していきます。一方、宝島は一見すると楽園のように見えますが、そこにもまた、裏切りや暴力といった人間の醜い本性が潜んでいます。このように、「宝島」では、海と陸の対比を通じて、自由と危険、秩序と混沌といった相反する要素が描かれています。
登場人物の対比
「宝島」には、対照的な性格の登場人物が多く登場します。例えば、ジムとシルバーは物語の重要な役割を担うだけでなく、対照的な性格を持つ人物として描かれています。ジムは正直で勇敢な少年である一方、シルバーは狡猾で残忍な海賊です。しかし、シルバーはジムに対して奇妙な愛情を抱いており、ジムもまた、シルバーのカリスマ性に惹かれる様子が描かれています。このように、「宝島」では、善と悪、理性と欲望といった対照的な要素が、登場人物たちの関係性を通じて描かれています。