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スタンダールのパルムの僧院を読んだ後に読むべき本

スタンダールのパルムの僧院を読んだ後に読むべき本

バルザック 幻滅

「パルムの僧院」を読み終え、スタンダールの織りなす愛憎劇、野心、そして革命期イタリアの熱狂に圧倒された読者にとって、次に手に取るべき作品は、時代も舞台も異なるフランスを舞台に、しかしながら「パルムの僧院」とどこかで共鳴するテーマを持つバルザックの「幻滅」をおいて他にないでしょう。

「幻滅」は、19世紀前半のフランス社会を舞台に、純粋な青年詩人リュシアンが、パリという大都会で様々な人間模様に翻弄されながら、栄光と挫折を経験し、やがて幻滅へと突き進んでいく様を描いた作品です。リュシアンの挫折と幻滅は、「パルムの僧院」の主人公ファブリスの経験と対比させることで、より深く考察することができます。

ファブリスがナポレオンへの憧憬から革命という理想に翻弄されるように、リュシアンもまた、文学という芸術に純粋な情熱を燃やしながら、上流社会という欺瞞に満ちた世界に足を踏み入れていきます。リュシアンを取り巻くジャーナリズム、演劇界、出版業界の人々との出会いは、彼に名声と富への欲望を植え付け、純粋であったはずの創作意欲を徐々に蝕んでいきます。

バルザックは、当時のフランス社会における金銭欲、権力欲、虚栄心の蔓延を鋭く描き出し、その中で翻弄されるリュシアンの姿を通して、人間の持つ弱さや愚かさを容赦なく浮き彫りにします。華麗なる文体で描かれる人間模様は、時に滑稽で、時に残酷なまでにリアルであり、「パルムの僧院」でスタンダールが描き出した人間の愛憎劇とはまた異なる角度から、人間の深淵を覗き込むような読書体験を提供してくれるでしょう。

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