スウィフトのガリヴァー旅行記の案内
リリパットへの航海
「ガリヴァー旅行記」の第1部は、外科医のレミュエル・ガリヴァーが漂流したのち、リリパットに漂着したことから始まります。リリパットは、身長がガリバーの12分の1しかない小さな人々が住む国です。ガリバーはリリパット人に捕らえられ、その巨大な体格を利用しようとします。ガリバーはリリパットの言語と文化を学び、宮廷で重要な地位を得ます。しかし、彼はすぐに宮廷の陰謀や腐敗に巻き込まれ、最終的にリリパットから逃亡することを余儀なくされます。
ブロブディンナグへの航海
第2部では、ガリバーは再び航海に出ますが、嵐に見舞われ、ブロブディンナグという島に漂着します。ブロブディンナグは、人間がガリバーの12倍もの大きさがある巨人の国です。ガリバーは、農夫に発見され、見世物として各地を巡業させられます。その後、彼は王妃に気に入られ、宮廷で生活することになります。ガリバーは、巨人の視点から人間を観察することで、人間の愚かさや醜さを痛感します。彼はまた、ブロブディンナグの人々の知恵や徳に触れ、人間社会への批判的な視点を深めます。
ラピュタ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブ、日本への航海
第3部では、ガリバーは空飛ぶ島ラピュタを訪れます。ラピュタの住人は、数学や音楽に熱中するあまり、現実世界から遊離しています。ガリバーは、ラピュタの支配下にあるバルニバービにも訪れ、不死の人々グラブダブドリッブと出会います。彼は不死が必ずしも幸福をもたらすとは限らないことを知ります。その後、ガリバーは日本にも立ち寄り、鎖国政策や西洋文化との違いについて考察します。
フウイヌム国への航海
最後の第4部では、ガリバーは知性を持つ馬、フウイヌムが支配する国に漂着します。フウイヌムは、理性と徳を重んじる高潔な存在です。一方、フウイヌムに仕える野蛮で醜い生き物、ヤフーは、人間の象徴として描かれます。ガリバーはフウイヌム社会に感銘を受けますが、同時に人間に対する嫌悪感を抱くようになります。最終的に彼は、人間社会への失望から、フウイヌムと別れて故郷に帰ります。